施策の目的
我が国は、2050年カーボンニュートラル(炭素中立)の実現に向けて2030年度の温室効果ガス排出を2013年度比46%削減し、さらに50%の高みに挑戦しているところです。(※)また、「ウェルビーイング/高い生活の質」の実現に向けて、環境・経済・社会課題の同時解決につないでいきます。
(※)日本は、2025年2月に、世界全体での1.5℃目標と整合的で、2050年ネット・ゼロの実現に向けた直線的な経路にある野心的な目標として、2035年度、2040年度において、温室効果ガスを2013年度からそれぞれ 60%、73%削減することを目指す、新たな削減目標を掲げました。
その実現のために環境省の果たすべき役割は、地域の活性化・強靭化、国民のライフスタイルの転換などを通じた、カーボンニュートラルを実現する経済・社会への変革や、世界的な温室効果ガスの排出削減への貢献等を各省と連携の下で推進することであると考えています。このため、環境省では、エネルギー対策特別会計を活用して、温室効果ガスの排出削減のための施策に取り組んでいます。
施策の概要
令和7年度のエネルギー対策特別会計の予算要求は、総額4,502億円、うちGX経済移行債を活用したGX推進対策費が2,318億円となっています。令和7年度要求では、炭素中立型経済社会実現に向けた取組として、4つの柱を掲げています。

第1の柱「脱炭素でレジリエントかつ快適な地域・くらしの創造」
地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を拡充して脱炭素先行地域づくりや脱炭素の基盤となる重点対策を全国で進めるとともに、地域における脱炭素に向けた取組の実施体制構築のための積極支援を行い、脱炭素と地域課題の同時解決を図ります。
また、国民運動「デコ活」を全国に展開することで、グリーンイノベーションに対する意識の向上・行動変容を促すほか、新築住宅・建築物のZEH/ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス/ビル)化の支援や断熱窓への改修を含む省エネ改修を推進することで、住みやすく、暮らしやすい自立・分散型の地域を実現していきます。
令和7年度予算要求額 (2,797億円)
① 脱炭素でレジリエントかつ快適な地域づくり (979億円)
- 地域脱炭素推進交付金【一部GX】(762億円)
- 地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業(20億円)
- 地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業(50億円)
- 民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業(119億円)
- 環境保全と利用の最適化による地域共生型再エネ導入加速化検討事業(9億円)
② 脱炭素で快適なくらし・ライフスタイルの実現 (1,819億円)
- 「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)推進事業(43億円)
- 断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業【GX】(1,300億円)
- 戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業(76億円)集合住宅の省CO2化促進事業(39億円)
- 業務用建築物の脱炭素改修加速化事業【GX】(266億円)
- 建築物等のZEB化・省CO2化普及加速事業(100億円)
※上記は事業の一例


第2の柱「バリューチェーン・サプライチェーン全体の脱炭素移行の促進」
中小企業をはじめとする企業の脱炭素経営を推進するとともに、コールドチェーンの脱フロン化・脱炭素化、商用車(トラック・タクシー・バス)の電動化、先進的な資源循環など、地域・くらしを支える物流・交通、資源循環などのバリューチェーン・サプライチェーン全体の脱炭素移行を促進し、グリーンな経済システムの構築につなげます。
令和7年度予算要求額 (1,251億円+事項要求)
① ESG金融とも連動した企業・バリューチェーンの脱炭素経営・脱炭素化の推進 (106億円)
- 脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業(SHIFT事業)(69億円)
- バリューチェーン全体での中小企業等の脱炭素経営普及・高度化事業(14億円)
- グリーンファイナンスの普及・拡大促進事業(7億円)
② 地域・くらしを支える物流・交通の脱炭素化の推進 (734億円)
- 商用車の電動化促進事業【GX】(444億円)
- ゼロエミッション船等の建造促進事業【GX】(143億円)
- 運輸部門の脱炭素化に向けた先進的システム社会実装促進事業(16億円)
- コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業(70億円)
③ 地域・くらしを支える資源循環の脱炭素移行の促進 (411億円+事項要求)
- 先進的な資源循環投資促進事業【GX】(事項要求)
- 脱炭素型資源循環設備 導入(プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備 導入等促進事業)・実証(脱炭素型循環経済システム構築促進事業)(100億円)
※上記は事業の一例

第3の柱「地域・くらしの脱炭素化の基盤となる先導技術実証と情報基盤等整備」
再エネ由来のグリーン水素の活用、CO2の利活用、革新的な素材・触媒などの脱炭素技術の開発・実証を推進し、地域・くらしや社会インフラの脱炭素移行に必要な先導技術の社会実装を加速化するとともに、脱炭素化に不可欠な情報基盤を整備していきます。
令和7年度予算要求額 (268億円)
- 地域における再エネ等由来水素利活用促進事業(41億円)
- CCUS早期社会実装のための環境調和の確保及び脱炭素・循環型社会モデル構築事業(45億円)
- 地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(50億円)
- 潮流発電による地域の脱炭素化モデル構築事業(7億円)
- 革新的な省CO2型環境衛生技術等の実用化加速のための実証事業(14億円)
- 革新的な省CO2実現のための部材や素材の社会実装・普及展開加速化事業(37億円)
- 地域資源循環を通じた脱炭素化に向けた革新的触媒技術の開発・実証事業(19億円)
- 2050年ネット・ゼロの実現に向けたインベントリ整備・中長期的排出削減対策検討等調査費(12億円)
※上記は事業の一例

第4の柱「世界の脱炭素移行への包括支援による国際展開・国際貢献」
パリ協定第6条に位置づけられる二国間クレジット制度(JCM)や温室効果ガス観測技術衛星(GOSATシリーズ)による排出量検証等を通じて、途上国等の脱炭素移行支援を進め、「アジア・ゼロエミッション共同体」構想の実現に貢献するなど、世界の排出削減に主導的役割を果たします。
令和7年度予算要求額 (181億円)
- 脱炭素移行に向けた二国間クレジット制度(JCM)促進事業(142億円)
- 温室効果ガス観測技術衛星等による排出量検証に向けた技術高度化事業(22億円)
- アジア等国際的な脱炭素移行支援のための基盤整備事業(13億円)
※上記は事業の一例











